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第2回エゾロジー倶楽部を開催しました [エゾロジー倶楽部]

1月22日に第2回エゾロジー倶楽部を開催しました。
今回も、職業や専門、年齢も様々な19名の方々に参加していただきました。
ありがとうございます。

今回のグルメはこれ
北海道の水.jpg

北海道各地の「名水」です。結構な種類があるものですね。


今回の話題提供者柴田英昭さんは、名寄市にある北海道大学の研究林で研究をされてきました。

090122エゾロジー.jpg 

「水質」と言っても様々な見方ができるかと思います。飲料水などの水質や下水処理で考えるのも水質です。
今回の柴田さんのお話しは、森林の「土壌」が川の水質ができる過程でどんな役割を果たしているのかという観点からのお話しでした。

さて、川の水質はどうやってできてくるのでしょうか。

雨として大気から地表に与えられた水は、地面にしみ込み、土中を通る地下水となり、川へと流出して行きます。
地下水が土壌中を通る過程の様々な作用によって、流出してくる水の水質がほぼ決まります。
このため、もちろん地質の影響もあると思いますが、川の水質は、周辺流域の土壌の環境条件によってほぼ作られてくると考えられます。

柴田さんは、植物が生きていく上で欠かせない栄養分であり、農業では肥料として使われている「窒素」をとりあげて、森林の中で行われている物質循環という過程を考える視点から説明を始めてくれました。
森林の土壌の中での窒素は、アンモニア性窒素や硝酸性窒素など様々に形を変えながら、樹木の根から養分として吸収され、落葉などの形で再び土壌へと帰っていく物質循環のサイクルをつくっています。
河川近くでの水質調査の研究成果から、川のすぐ横にある「河畔林」が実は窒素分を除去するという意味では重要であるということが見えてきたのだそうです。

柴田さんのHPに掲載されていますこちらの論文に、この話が詳しく載っています。
柴田英昭 (2004) 大気-森林-河川系の窒素移動と循環. 特集「森林と渓流・河川の生物地球化学」,地球環境 9(1): 75-82


後半は、天塩川流域の各地で河川水質を調査された結果についてのお話しでした。
河川水質中の窒素分や鉄分などの濃度は川の上下流などの場所によって変わっているというデータが得られたことを教えてもらいました。
なお、柴田さんは第2回環境サスペンスでお話しされた上田先生と天塩川で共同研究もされ、こちらの本にその内容が書かれています。

最後にされた問題提起も含め、今回も学ぶべき情報と考えさせられる話題が盛りだくさんの有意義なお話しを聞かせて頂きました。

柴田さんありがとうございます。
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